2022.05.25
  • コラム

iPhoneが収納面積を減らしてくれる

  • 床面積
  • iPhone

中国の上海市はコロナ対策として、令和4年3月末からロックダウンして2ヶ月が経とうとしています。上海市の人口が2,600万で、その人数が自宅待機をして週に1回送られてくる食料で生活しているとの事です(関東圏と同じくらい!)。葉物なんかは痛んで美味しくないという事で、冷凍庫が売れている様でして、なんだかもう想像を絶する世界です。災害時もそうですが、ストックはとても重要です。それとは別に、家の作り手として思うこともあります。

家の価格は高騰を続けています。

コロナで世界が一変して家から外に出なくなり、外国で住宅用木材の需要が高まりウッドショックとなって日本に木材が届かなくなって、ロシア進攻が始まり石油や合板が高騰し、日本では円安によりインフレが始まろうとしています。僕自身はインフレを体験した事がありません。

見積をしていると顔面をボコボコにされている気分になりますが、それでも家の予算は変わらない、毎月のローン返済には上限が決定されています。とてもお上の補助金では吸収できません。家の質を落とす事なく、何か手はないか?と模索する毎日ですが、このニュースを見て「田舎のおばあちゃん家の冷凍庫は大きかったなあ」「家のほとんどが納戸だったな笑」と懐かしみます。質をキープするなら、量(面積)しかないな。

スーパーやコンビニ、iPhone

札幌では会社が終わってもスーパーやコンビニが開いてますので、コロナで20時に飲食店が閉まっているとしても、夕食にありつけないなんて事はないと思います。保育園で子どもを迎えに行ってからのスーパーの買い物は面倒ですし、夜遅いと途中に寄るのも億劫ですし、毎日とはいきませんがストックは基本的には家の外でも大丈夫なのかな?って思います。

そして毎日手から離さず持ち歩いているiPhoneの中には、CDや本が何百、何千と入っています。

そう考えると、家1軒の収納量はガクッと減っているはずなのです。細かく拾うと、2坪(4帖)ぐらいは減らせるかもしれません。坪70万として考えると、140万も減らせます。これはUA値0.22の断熱材と同じくらいの値段です。「収納が多くて良い家」って素敵な言葉に聞こえますが、デジタルが既に収納を解決してくれているかもしれません。もう一度、自分の家の収納量を見直す良い機会かな?って思わせてくれるニュースでした。

茶の間や子ども部屋を狭めるのではなくて、居心地をキープしながら面積を抑えて提案できないか?

そもそも日本は保存食が得意

冷蔵庫がなかった時代、日本は干したり発酵したり漬けたりして保存するのが得意で、床下に置いたりして色々な工夫がありました。温故知新、身の丈にあった暮らしを見つけて住宅ローンの返済に頭を悩ませない様な、元々私たちがしてきた工夫をもう一度考える時が今まさにきている気がします。

そして我慢ではなくて、アレも減らせるコレもまかなえると出来れば楽しんで考えたいですよね!

断熱は間取りを開放する

ひと昔前は、風除室があって、玄関があって、ホールがあって居間に入ります。その都度に間仕切りがあって寒さを段階的に遮って居間に寒さが来ないようにしてそこだけを温めてました。

今は断熱性能が格段に上がり、玄関ドア1枚で20度以上を断熱して間仕切りをする必要がありません。パンツ一丁が恥ずかしくないのでしたら、玄関開けたらスグ茶の間でも温熱環境的には問題がないのです。

温熱的な前室が必要がなくなり、これも2坪くらいは減らせるはずなのです。

素直なプランは廊下がなくなる

家事動線をシンプルにして、ぐるぐると回遊を持たせますと、ただ廊下だった所が洗面だったり収納だったりと意味を持たせる事ができます。視界や視線も考えながら間取りするとプライバシーのストレスも消す事が出来ます。これも1坪くらい減らせそうです。

ここまで工夫しますと「え!?30坪切るなんて狭くないですか?」と感じつつも、大らかで広がりがあって開放感のある家は出来ます。そうして、質を損なうことなく、我慢する事なく、うなぎの寝所でもウサギ小屋でもない家はこの時代でも出来るはずなんです!

関連記事も読む
タグからブログを探す